事例1.発電所の設備である沈砂地の機械保守の一環として
          沈砂地設備周辺の清掃業務を被災者が行なっていたところ、
          清掃の過程で周辺にあったスズメバチの巣を刺激し、
          スズメバチに右上腕部を刺された。
          数分は作業を続けていたが、気分が悪くなったため、
          同僚が付近の診療所に連れて行く車の中で意識を失い死亡した。（発生月：8月）

事例2.資材置場において、工事現場へ搬送するための資材を
          トラックに積み込む準備作業中、プラスチックのケースを持ち上げたところ、
          そばにあった廃材を入れる箱を支える単管パイプ
           （長さ2.85ｍ、直径4.5cm）にケースが当たり、
          単管ﾊﾟｲﾌﾟからアシナガバチが飛び出してきて刺された。  （発生月：8月）

         
          上記のようにハチに刺されて、毎年40人前後の方が亡くなっているそうです。

2.そこでハチの特徴について、次のとおり上げてみました。

  1.ハチの攻撃的な時期

     
        ・最も危険な時期は、アシナガバチ類は、7月から8月にかけて

　　　　　　　　　　           　    　スズメバチ類は、7月から10月にかけて

            なお、ミツバチ類は1年中危険だそうです。

  2.ハチの攻撃パターン

     
       ・ハチは無差別に攻撃をするわけではなく、巣に接近する人に対して警戒態勢をとり、
         まとわりつくように飛んで威嚇します。これを無視し直接的な刺激を加えた場合、

         ハチは攻撃をしてきます。

      ・最も刺されやすいのは、身体の露出部分・腕・手・顔等です。

 3.ハチ刺されの症状

     ・ハチ毒により体内の組織が破壊され、血圧の降下・痛み・筋肉の収縮などがおこる。

     ・症状は、大きく「局所症状」と｢全身症状｣（アレルギー反応）に分けれます。

     ・局所症状によって命を失う事はありません。

     ・全身症状は、のどのつまり・呼吸困難・口の乾き・しびれ・腹痛・
   血圧降下・下痢・寒気･おう吐・頭痛・めまい・全身むくみが起こります。
   さらに重症化するとショック状態（アナフィラキシーショック）になり、

      意識不明になります。また死亡者の多くは、
   刺されてから10?15分の間に亡くなっています。

4.ハチに刺された直後の手当て

 ・ただちに吸引器をあて毒をすいだします。

    ・赤く腫れた部位を、きれいな水で冷やします。

    ・口での毒の吸出し、刺されたところをもんだりしない。

    ・必要に応じて抗ヒスタミン軟膏を塗って下さい。

5.現場で出来る対策

 ・職場の4Ｓ（5Ｓ）がハチ刺されの予防に役立ちます。

        （なぜならハチは甘いものを好みますので、
       ジュースやコーヒーなど砂糖入りの飲料の飲み残しがあればエサにする、
       よって飲み終わったカンやビンを放置しない）

    ・駐車中の車両の窓は必ず閉めておくようにする。

        （ハチが中にいり込み、乗り込んだときに刺される危険があるから）

  

  　・ハチは「黒い色」に対して攻撃性が強い

         （黒い作業服は避け、白っぽいヘルメットをかぶって
          頭髪を隠すのが有効な対策である）

6.巣を発見した時の対応

　

・素人が巣の形状を見て、ハチの種類と攻撃性を判断するのは危険である。 ・巣の駆除するときは、防護服等を着用し、ハチ専用の殺虫剤等を使用する。 ・巣を発見したら最寄の保健所などに連絡をとり、専門家に駆除要請をする。 ・巣が駆除されるまでの間は、ロープ等で立ち入り禁止の措置をとり、   巣の近くに不用意に近づかないように周知をする。

   　

3.ハチに関する迷信

 

アンモニア	・・・・ハチの毒を中和することは出来ません ・・・・傷口にアンモニアを塗っても、効果なし ・・・・尿をかける行為は、不衛生になるだけ
ハチの一刺し	・・・・「ハチは1回刺すと死ぬ」といいますが、これはミツバチのみです ・・・・実際に、興奮したスズメバチは攻撃対象を何回でも刺します ・・・・1回刺したハチだからといって安心することはできません

 
                      ご安全に！！・・・・・なべやんからでした。