(社)宮崎県トラック協会「労働セミナー」に参加して
Posted at 08/09/27 PermaLink» Comment(0)»
安全配慮義務と運送業についてと題して特定社会保険労務士の森彰氏の講義は次のとおりであった。
安全配慮義務(1)
◎ 労働契約法第5条(労働者の安全への配慮)
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、
身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、
必要な配慮をするものとする。
*労働契約法 H20.3.1新法として施工
「使用者は、労働者が労務提供のため設置する場所、
設備もしくは器具等を使用し、又は使用者の指示の下に労務を提供する過程において、
労働者の生命及び身体等を危険から保護するよう配慮すべき義務を負っている」
安全配慮義務の質的変化(1)
1. 従来からの安全配慮義務の内容
(1) 物的・環境的危険防止義務
(2) 作業内容上の危険防止義務
(3) 作業行動上の危険防止義業務
(4) 宿泊施設・寮における危険防止義務
2. 今日的安全配慮義務の内容
上記1.(1)ー(6)に加えて
(5) 長時間労働、過重労働防止義務
(6) 精神衛生面を含んだ健康管理義務
安全配慮義務(2)
◎ 労働安全衛生法第65条の3
(作業の管理)
事業者は、労働者の健康に配慮して、
労働者の従事する作業を適切に
管理するようにつとめなければならない。
*昭和63年法改正により追加
◎ 貨物自動車運送事業法第17条(輸送の安全)
一般貨物自動車運送事業者は、・・・運転者の適切な勤務時間及び乗務時間の設定
その他運転者の過労運転を防止するために必要な措置を講じなければならない。
安全配慮義務の質的変化(2)
(5) 長時間労働、過重労働防止義務とは
労働時間、休憩時間、休日、
休憩場所について適切な労働条件を確保する義務
(6) 精神衛生面を含んだ健康管理義務とは
健康診断を実施して労働者の健康状態を的確に把握し、
その結果に基づき、医学的所見をふまえて、
労働者の健康管理を適切に実施した上で、
労働者の年齢、健康状態等に応じて適切な措置をとるべき義務。
運送業としての安全配慮義務の実施
1.労働時間の管理の実行
2.長時間労働者、高負荷業務労働者のピックアップ
3.当該労働者のローテーションの検討・実施
4.健康診断の実施
5.健康診断結果の活用、健康管理の指導強化
6.医師からの有所見者に対する指導強化
7.有所見者の軽作業業務への転換
8.乗務前、乗務後点検による管理
9.高齢運転者に対する配慮実施
10.安全衛生管理体制の整備
11.その他職場の安全配慮義務の遵守(例:セクハラ、パワハラ他)
脳・心臓疾患の認定基準とは?
1.「認定基準」⇔業務上の疾病と労災認定できる要件を示したもの
2.「脳・心臓疾患の認定基準」⇔脳・心臓疾患を労災認定する上での基本的考え方、
対象疾病、認定要件を示したもの
基本的考え方⇒ 脳・心臓疾患は、その発症の基礎となる動脈硬化、
動脈瘤などの血管病変等が、主に加齢、食生活、生活環境等の
日常生活による諸要因や遺伝等による要因により形成され、
それが徐々に進行及び増悪して、
あるとき突然に発症するものです。
しかし、仕事が特に過重で
あったために血管病等が著しく増悪し、その結果、
脳・心臓疾患が発症することがあります。
このような場合には、仕事がその発症に当たって、
相対的に有力な原因となったものとして、
労災補償の対象となります。
|
本日は、森先生ありがとうございました。
自社の勉強会等に利用させていただきます。・・・・・なべやんでした。