宮崎県の裏金について
Posted at 07/06/01 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
今回発表された裏金問題は、出先機関が中心となっていますが、出先機関で行なわれていたのなら本庁でもと疑惑が膨らみます。(これ以上、拡大しないことを祈りますが…)
※記事は、平成19年6月1日 宮崎日日新聞
このような裏金づくりの背景には、予算の立て方に問題があるのではないかと思われます。
- 予算が残った場合、次年度の予算確保が難しくなるような体制があるのではないか。
- 事業執行にあたり、職員等の努力により経費を削減できた際の評価体制がないのではないか。
このようなことを想像してしまいます。このような推測に基づくと本庁より予算取りの難しくなる出先機関で予算消化的裏金づくりが慣例的に行なわれてきたこととつじつまが合うような気がします。
この考え方は、どこにでもあるような気がしますが、予算作りの際、必要事業だけで予算額を決めるのではなく、どうしても前年の執行金額との単なる金額比較をするといった体制が根強く残っているように思われます。こうした考え方を変えていくことが、今後の課題にように思われます。
ここで、私どもの業界と関係する公共工事について少し考えてみますと、予定価格(いわゆる行政側の予算)に対して、落札価格(業者が工事をする金額)の対比で、落札額の高止まりを指摘する声をよく聞きます。落札額の高止まり=談合疑惑なのでしょうか。落札額の高止まり=税金の無駄遣いなのでしょうか。ここでも単なる金額比較でものを言っているように思えます。
予定価格を決める行政は、工事の積算を行い金額決定をしているはずです。業者も同じように積算を行い、安く出来る部分(材料を安く仕入れたりなど)を削って入札に臨んでいます。その金額を2割、3割それ以上下げられるというのであれば、行政側の予定価格の設定事態に疑問を持たなくてはならなくなります。こんなことを考えれば、予定価格の正当性や落札額の高止まりも、それ程大きな問題ではないような気がしますが…。
では、なぜ最近になって落札率が急に下がってきたのかということを考えてみますと、第一の原因が公共工事が減少だし続けていることだと思います。今までは、ある程度、良い条件(会社の立地や得意分野など)の工事を待つことができたのが、少々利益を削ってでも仕事を取ってお金を動かす。それが、一般競争入札の導入により加速し、少々利益を削っての部分が、少々赤字が出てもとの考え方に変わってきているように感じます。
現状のまま、一般競争入札が拡大されていくと、さらに低価格入札(ダンピング)が急増し、会社の経営状態の悪化、さらには県内の中小建設会社の共倒れも懸念されます。この低価格入札では、下請業者や資材、材料業者に影響が出るだけでなく、品質の低下など重大な問題が多々あることを理解し、早期の低価格入札防止策を検討して欲しいものです。
Tags: ダンピング , 一般競争入札 , 低価格入札 , 落札率 , 裏金
投稿者: miyaken 日時: 2007年6月 1日 13:24