都城で談合情報相次ぐ
Posted at 07/06/14 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
都城の環状線の工事に談合情報があったようです。
これは、今日の宮崎日日新聞の記事です。2週間ほど前には、都城市の工事でも談合情報があったようです。なぜ、談合情報が相次ぐのか、考えてみたいと思います。
おそらく発端となるのは、昨年末の官制談合事件を受け、宮崎県が行なった「入札・契約制度改革」で、一般競争入札の範囲拡大(最終、平成20年1月から250万円以上に適用)に伴う、競争の激化ではないでしょうか。都城市でも同事件を受け、一般競争入札の範囲拡大を行なっています。
この競争激化により、建設業者は当協会員を含め、かなり苦しんでいます。倒産に追い込まれる企業も相次いでいます。競争激化により、落札価格は確かに下がっているようですが、それが本当に県民、市民にとって良いことなのでしょうか。
税金で行なわれる公共工事が、落札率の低下で安くできるは良いことだと思われがちですが、これが本当に県民、市民といった地域住民にとって良いことなのでしょうか。
工事を落札する元請業者は、低価格で落札すればするほど、赤字を出さないような努力をすることになります。絶対に削れない固定経費は存在しますので、安く出来る部分に注目します。まず、下請業者へ影響が及ぶでしょうし、資材や材料の納入業者へも影響を及ぼすことになります。さらには、人件費、これは、元請業者に限らず、下請や納入業者にも影響するかもしれません。このように様々な分野への悪影響があるということを理解しておく必要があると思います。
そして、この影響はどこに跳ね返ってくるかというと、企業での売り上げ低下、従業員の所得低下は、税収の低下につながり、自治体の財政悪化をさらに加速させる結果に繋がるということを考えておかなければなりません。
また別問題として、品質の低下にも注意しなければならないでしょう。ここには、見た目では判断できない部分も隠れているかもしれません。この部分は、業者の良識にゆだねられる部分となるでしょう。
単に落札率の低下が、税金の無駄遣いが減ったと言えないということを良く考えていただきたいと思います。相次ぐ談合情報は、このような背景を持つ業者の行政に対する悲痛の叫びの声ではないのでしょうか。(前回の都城市の入札でも調査の結果、談合の疑いがないということで入札が執行されたようですし、今回の県の工事においても同様の結果になると思われます。)
最後に、低価格入札(ダンピング)は、地域経済にとって少しも良い効果がないことをよく理解していただきたいと思います。
投稿者: miyaken 日時: 2007年6月14日 11:18