公共工事の価格破壊はいつまで続く??
Posted at 07/06/21 PermaLink» Comment(0)»
現段階での競争は、工事での利益を除外視した、最低制限価格75%前後での、ダーツゲーム的な入札に陥っている気がします。
しかし、この現象が早く始まった国土交通省の工事では、品質確保のための緊急公共工事品質確保対策が効き目を見せ始め、価格の下げ止まりの兆しが見え始めたようです。
参考:ケンプラッツ(2007/06/12)
「これからの受注は狭い価格帯で技術力を競う傾向がますます強く」
宮崎県での競争は始まったばかりですが、国が品質確保の対策を採ったことで、宮崎県でも早い段階で品質確保対策が講じられるであろうこと、宮崎の業者の体力から長期戦は難しいことなど、これらのことから施工体制や技術力の競争が早い時期に始まる気がします。
そこで加味されるのが、技術提案や技術者の能力などですが、技術者の能力を判断する基準として、CPDSが注目されています。(参照:CPDSの推進について)
このCPDSの制度は、技術者が常に技術力向上や知識の蓄積のために学習を積み重ねていることを示す一つの指標にしかすぎませんが、技術者を客観的に判断する材料となっているようです。
宮崎県で地元の建設業者が生き残るためには、早い段階でダーツゲーム的価格競争に終止符を打ち、施工体制や技術力の勝負を行なうといった姿勢が必要なような気がします。
なぜなら、予定価格は、その構造からみて下がり続けるからです。予定価格は、単価表や歩係表を用い積算されます。その単価や歩係は、毎年の市場調査に基づき決定されています。ここで入札の制度上、予定価格より高い金額での落札はありえませんし、予定価格と同額で落札しない限り、現状維持は出来ません。つまり、予定価格は下がり続けるということになります。(これは、物価の上昇などを考えていない極論的ものかもしれませんが、現実問題として単価や歩係は下落傾向にあるという現実もあります。)
今、土木行政並びに建設業界は、官制談合という不祥事の信頼回復に努めなければなりませんが、単なる価格競争に陥らないよう品質確保を重視した、施工体制や技術力が評価される入札制度作りを検討する必要があるような気がします。
Tags: CPDS , 一般競争入札 , 品質確保 , 予定価格
投稿者: miyaken 日時: 2007年6月21日 09:55