最低制限価格は見直されるのか??
Posted at 07/09/04 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
昨年4月以降に発注され、今年6月までに完了した工事を対象に、コストに関するアンケート調査が行われ、回答のあった99社123件の工事の内、50件が赤字だったという。
その中で、落札率が80%台前半より低い工事については、大半が赤字だったということです。また、落札率が低いほど、工事成績も低くなっているということです。
(参考:2007.09.01宮崎日日新聞)
公共工事に関して、前々から指摘してきていますが、「落札率が低ければ良いのか?」という問題提起に対する様々な実態が段々浮き彫りになってくると思われます。
実態調査との意味合いで行われたアンケートですが、結果な予測できていた内容ではないかと思われます。
工事には予定価格があります。この価格は、県が積算した金額ですが、その金額から民間企業が努力しても1割程度落とすのが限界ではないかと思われます。それを2割以上落とすということは、赤字を覚悟する。また、赤字を圧縮するために雑な作業となってしまい、工事成績が落ちる。
こう考えると、低価格入札は、企業にとっても(赤字となる)、県(行政)にとっても(品質が低下する)メリットのないものになっている。質が悪いということは、早い時期に補修が必要となり、その補修工事こそ、税金の無駄遣い的要素を含んだものになる気がします。
現在行われている宮崎県の条件付一般競争入札は、その大半が75%程度で落札されています。アンケートの結果から考えると、これらの工事はほとんどが、赤字となり、工事成績も悪いものとなることになります。
品質確保の観点から、総合評価方式を試行されていますが、現行では技術力が金額に大きく反映するものではないような気がしています。
(参考:「宮崎県の総合評価方式について」2007.08.21)
入札契約制度改革により、競争性を高め落札率を下げた代償に、県民に質の悪い構造物を提供している現状を県民はどう捉えるのでしょうか??
Tags: 一般競争入札 , 最低制限価格 , 総合評価方式 , 品質確保 , 落札率
投稿者: miyaken 日時: 2007年9月 4日 09:20