予定価格と落札率…
Posted at 08/01/28 PermaLink» Comment(1)» Trackback(0)»
予定価格の設定について、問題点が浮上してきています。
予定価格の設定には、建設材料単価を使用しますが、この単価の見直しが以前は、年に1・2回しか行われていなかったのが、最近は改善されつつあるようです。
宮崎県でもこの単価はホームページ上で公開されています。「設計材料単価の改定について」(2008/01/01)改訂されたばかりですから大きな違いはないと思います。
例えば、一般の方に分かりやすいよう、ガソリン価格を調べてみますと「月刊建設物価2008年1月号参照」(著作権関係で明記できないようです)となっておりますが、調べたところによりますと、現在の私たちの給油価格は145円-150円程度ですので、それよりは安い単価設定のようです。このように価格が上昇傾向のものは基準単価の方が低くなっています。勿論、物価の動向に左右されますから、逆もありえます。
この例から予定価格がある程度、正当で適正な価格であることは理解していただけるのではないでしょうか。それでも古い考え方が適応されている部分も残っており、実情と合わないということで、全国的には入札参加者がいないとか、入札額が予定価格を上回るなど不調や不落といったケースが増えてきています。
参照:「2008年は予定価格も技術基準も原点回帰?」(2008/01/08ケンプラッツ)
そうした単価を基に積算されたのが、予定価格なのです。オンブズマンは、そんなことを分かっているのか知りませんが、落札価格が予定価格に近づく(落札率が高い)と談合の疑いがあるとか、税金の無駄遣いなどと言っています。(まあ、談合は一部行われていたようですが…)
すなわち落札率が上がることと談合とを結びつけること、落札率が高いことが税金の無駄遣いとなっているということ、こうした考え方には誤りがあるということを理解していただきたいと思います。
今、宮崎では一般競争入札が導入され、最低制限価格付近に張り付く入札が横行しています。落札率80%以下だと赤字になるケースが多いということで、最低制限価格の見直しは行われましたが、入札自体は最低制限価格付近に張り付いており何ら変わっていません。
なぜ、業者は赤字覚悟で落札するのか…1.仕事なしで従業員を遊ばせていても人件費が赤字になるので、仕事をして赤字の道を選ぶ、2.入札参加には実績が必要となるので、実績作りのために仕事を取る、こうした理由が考えられます。
その結果として、赤字縮減のために作業員を減らしたり、安全管理面がおろそかになったりし、事故が増えているといった現状があるのではないでしょうか。
現状の制度のままですと、建設業社自体の体力にも限界がありますし、地域に密着した建設業という観点からは遠ざかりつつあります。宮崎では雪こそ降りませんが、「談合の後には雪が残った」(2008/01/17ケンプラッツ)ではありませんが、地域のために貢献するといった建設業界の考え方に変化が生じ始めていることも事実です。
地域性をもっと重要視していかなければ、最終的に困るのは行政であり、住民であるような…競争性に配慮しつつ柔軟な対応を取ることが、行政に求められる急務なような気がします。
投稿者: miyaken 日時: 2008年1月28日 09:12
"予定価格と落札率…"へのコメント
CommentData » Posted by 会員 at 08/01/28
全く同感です。
建設業界が崩壊していく様が目に映るようです。これは、危機と言っても過言ではありません。そうさせない為にはどうしたらいいのか?また出来ることは何なのでしょうか?黙ってはおられませんね。