なぜ、落札率と談合を結びつけるのか…
Posted at 08/03/17 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
日弁連(日本弁護士連合会)が、3月15日(土)に「談合防止は進んでいるか-あるべき入札制度改革を探る」と題したシンポジウムを開催したようです。
そのシンポジウムでのないように関する記事と思われますが、右の記事は3月16日(日)の宮崎日日新聞の記事です。
この手の記事を見るといい加減、腹が立ってきます。なぜ、落札率と談合とをすぐに結びつけて語られるのでしょうか。
落札率は、予定価格(行政側の積算価格)と落札価格(業者の積算価格)の比率ですが、行政側も年々厳しい積算を行ってますから、この差は縮まってもおかしくない問題です。なのに、落札率と談合とが同じ土俵で語られる…疑問に思いませんか??
また、宮崎県においては一般競争入札導入時の低価格入札に対して調査を行い、80%以下で落札した工事では、赤字の割合が高く、工事評価も悪くなっていることから、最低制限価格を概ね70-80%だったものを概ね80-85%に見直しを行った経緯があります。
しかし、変わったことはと言えば、最低制限価格が引き上げられたため、落札率がそれに伴い上がっただけで、最低制限価格を狙った入札であることには変わりがありません。さらには、条件の悪い工事には、応札者がいないなどの問題も起きています。
現在の建設業界は、利益の出ない工事を落札し、会社を運営しているのが現状で、何か少しでも問題が起きれば、倒産への道を歩まなければならないような危機的状況にある会社が少ないと思われます。
一般競争入札導入2年目となる2008年度は、建設業の倒産件数がさらに増えるような気がします。会社として利益の出せない状態では、会社は運営できませんからね。
倒産の相次ぐ建設業界の団体としては、その会員数も当然減少しています。団体から見れば、なぜ、利益の出る価格で応札しないのかな…と疑問を抱きますが、落札するための手段として少々の赤字も覚悟すると言った、会社の事情も理解できます。
会員(企業)のことを思うと、談合でもして利益の出る価格で落札してくれないかな…なんて事も思ってしまいます。(現実にはありえませんがね。)
とにかく、日弁連といい、オンブズマンといい、落札率と談合とをすぐに結びつけて議論するのは止めて欲しい気がします。(談合で89%落札を決め、90%の高落札率を回避させればいいの…そんな問題じゃないでしょうに…)
投稿者: miyaken 日時: 2008年3月17日 10:00