事前公表はどうなのか…
Posted at 08/07/03 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
公共工事において、予定価格の事前公表が数年前から行われています。
事前公表になった経緯は、予定価格の漏洩問題が背景にあったような気もしますが…業者は、その金額が分かるようになったがために積算が疎かになったような気もします。
要は、予定価格を基に入札する金額を決めればよいのであって、金額によっては内訳書の添付などが課せられますが、そんなものは金額の語呂合わせに過ぎません。
その流れのまま、一般競争入札に突入したのですから、最低制限価格を狙う入札に陥ることは必然の流れでした。
業界側は、早くから事前公表を取りやめ、事後公表へとの要望を行っていたのですが、なかなか行政側に取り入れてもらえない状況だったような気がします。国土交通省が事後公表を促す通知を出したことで、ようやくその問題が議論の対称なったのでしょうかね。
今朝の宮日新聞にその記事がありましたが、行政側が事前公表にこだわる根拠が今一つ納得できないような…(参考:2008年07月03日宮崎日日新聞)
まず、「26都道府県が採用している」これは全体の半数ちょっとですが、世の流れが事前公表に流れた経緯があるので当然のことで、事後公表に戻したところもあると思いますがね。
次に「予定価格が漏れ不適正な競争となることを防ぐことができる」これはあくまで行政側のコンプライアンスの問題であって、単なる言い訳にしか聞こえません。事前公表の現状でも最低制限価格が漏れているのではとの噂を耳にするぐらいですからね。
最後が「応札額が予定価格を超えることによる入札不調の防止」これも行政側の問題であって、今の低価格での入札が横行する現状で、応札額が予定価格を超えることは、殆どないのではないでしょうか。但し、行政側の積算が正しければですけどね。
こう考えると、行政側の都合のみで業者は苦しんでいるような気がします。結果として優秀、優良な企業であってもその能力を十分に発揮できずに不適格業者と同じ土俵での入札くじを引いているのが現実でしょう。
この神頼み的入札制度は、建設業界に企業経営の計画を立てることを許さず、人材育成を計画的に進めることを許さずと業界発展に逆行している気がします。
入札制度改革は、改革半ばで様々な見直しがされていますが、事前公表を事後公表に変更することは、企業の積算能力等を問う意味でも急務であるような気がします。
投稿者: miyaken 日時: 2008年7月 3日 09:26