最低制限価格の引き上げに至るか…
Posted at 09/03/13 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
入札制度改革により一般競争入札を導入した結果、最低制限価格を狙う低価格入札が横行するようになりました。
県が行ったコスト調査(平成19年7月25日-8月24日)の結果に対し、入札契約監視委員会より最低制限価格の見直しの必要性が示され、同年10月には、建設工事で概ね70-80%だった最低制限価格を概ね80-85%へと引き上げを行いました。
この時点での、県の対応の早さは評価できたのですが、この最低制限価格の設定では、以前より少しはましになったという程度のものでしかありませんでした。
その後も建設業界や議会が最低制限価格の引き上げを県に要望するものの、東国原知事は総合評価落札方式などで落札率は改善されるとの見込みで、更なる最低制限価格の見直しを頑なに拒否し続けてきました。
そして昨日(3/12)、最低制限価格の引き上げを求める県議会自民党の申し入れに対し、ついに東国原知事も最低制限価格の見直しを検討することを明らかにしました。
背景には、建設工事の平均落札率が現在83.3%で九州で最も低く、2番目の長崎県(88.6%)と比較しても5ポイント以上の差があること、さらにその長崎県は緊急経済・雇用対策の一環で2月より最低制限価格90%を試行していることなどが考えられます。
また、国が年度内に低入札調査基準価格の引き上げを考えており、最低制限価格の引き上げも含めて検討される見込みから、東国原知事はこの結果を参考に結論を出すようです。
ただ、建設関連委託業務の最低制限価格(60%以上)を建設工事並みに引き上げることについては、引き上げが従業員の賃金に反映するかに不安があり、慎重な姿勢を示しているようです。
これは建設関連のことだけですが、その他の業務(清掃など)でも一般競争入札が導入されており、聞くところによると状況は同じようです。
一般競争入札導入により業者は利益率が下がっても(少々の赤字を覚悟してでも)仕事がないよりはましだと、低価格で応札します。
結果として落札率が下がり、県が支払う代金は減りました。これで税金の無駄遣いがなくなり良かったと言い切れるのでしょうか?? …疑問…
ここから生まれたものは、業者の経費削減策による下請への影響や従業員の賃金カットであり、倒産企業の増加及び失業者増であり、最終的には税収減へと至っているのではないでしょうか。
Tags: 一般競争入札 , 最低制限価格 , 東国原知事 , 入札制度改革
投稿者: miyaken 日時: 2009年3月13日 10:16