最低制限価格引き上げ…
Posted at 09/03/25 PermaLink» Comment(0)» Trackback(0)»
昨日(3/24)、宮崎県は「公共工事における経済・雇用緊急対策について」を発表し、最低制限価格が引き上げられるようです。
今回の引き上げは、建設工事で現在の概ね80~85%が概ね85~90%に、建設関連業務で現在の概ね70~80%が概ね75~85%にそれぞれ引き上げられます。
また、最低制限価格付近への応札の集中やくじ多発といった状況を緩和するため、ランダム(無作為)加算値を用いた最低制限価格の設定も行なわれるようです。
その他にも総合評価落札方式の実施件数増加や地域企業育成型の適応範囲を現在の2,000万円未満から3,000万円未満へと拡大したり、地域企業に受注しやすいように地域貢献度の評価ウエイトが高い災害型評価シートの適用などが含まれます。
これらの実施期間は、平成21年4月から平成22年3月までで、その後においては経済の状況などから再度判断することになるようです。
これで、現在の状況より少しは良くなると思われます。しかし、建設業界の求める最低制限価格90%以上には若干の歩み寄りがあったものの、指名競争入札の一部復活については今回も見送られました。
落札率が上がるようにと改善策が施されてはいますが、総合評価落札方式の拡充には問題点も残ります。それは、技術力や企業力を持った企業が低い金額で応札するとその企業に一極集中する可能性を秘めているということです。
実際、2月末から3月始めの短期間で、某企業が十数件(約20億円)の物件を落札するといったケースも発生しています。これは国関係の物件が大半なのですが、県関係でも同じ現象を引き起こす可能性が否定できません。
地域企業育成の観点からすれば、こうした一極集中を防止する対策も盛り込む必要があるように思われますが…そこには様々な障壁があるようで…
さらに県の総合評価においては、地域貢献などにおいて県(行政)に関係するものしか評価しないという点も問題だと思います。
私自身を考えた時、宮崎県民であり宮崎市民であります。こう考えれば、地元の市町村に貢献することは、宮崎県への貢献でもあるはずなのですが…県内の市町村を取りまとめるのが宮崎県なのですから考え方を変える必要があると思います。
極端に考えると県への貢献だけを考えて業界が動くと災害発生時に県道は復旧させるが、市道などは復旧させないといったことが起こる可能性もあります。その時困るのは、地域住民つまりは宮崎県民なのです。
入札制度改革には、まだまだ様々な問題点を含んでいるようです。行政と業界が互いに反発するのではなく、歩み寄りを見せながらより良い改善策を施す必要があるように思えます。
投稿者: miyaken 日時: 2009年3月25日 09:23